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ご冗談でしょう、ファインマンさん

2009.07.22(20:32)
原題は SURELY YOU'RE JOKING,MR.FEYNMAN! だそうなので、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」はそのままの邦訳ということになります。
楽しいタイトルですよね。
理数オンチの私など、ノーベル物理学賞受賞者の自叙伝など、とてもとても堅苦しくて難しそうで手が伸びないところですが、このタイトルのおかげで ちょっと読んでみようかなという気になりました。


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で、手に取ってみると、予感どおりの面白さ。
堅苦しい話は殆ど見当たらず、子供時代からのファインマンさんの面白い数々のエピソードが満載です。
それらのエピソードはすべてファインマンさんの好奇心と探究心から生まれたものなのですが、理数の学問に限らずバラエティに富んだジャンルのお話しが飛び出します。

たとえば、マンハッタン計画に携わっていた頃。
重要機密書類を保管する金庫に興味を持ち、金庫について熱心に研究。
しまいにはいろいろなコツやテクニックを駆使して金庫をあけることができるようになってしまい、「立派な金庫さえあれば安心」と考えていた研究所の人々を慌てふためかせてしまいます。

また、ブラジルの大学で教えることが決まれば熱心に言葉を勉強し、現地ではしろうとのサンバ演奏者たちの仲間入りをして打楽器の練習に明け暮れたり、学会で日本に来ることが決まった時には日本語の勉強もし、日本の文化に触れるため和式の宿を希望し、苦手な魚も「どしどし食べた」とか。
親日派だったファインマンさんの日本滞在時のエピソードは、私達日本人にはとりわけ楽しいです。

ほかにも、絵を描く事にはまったときには、自ら自分の絵を売るための営業をしたり、個展まで開いたり、バーの女の子と仲良くなるテクニックを研究したり賭け事の勝率を真剣に計算したり、ファインマンさんの好奇心と探究心はあらゆる方面に向かっています。

もうひとつ印象的だったのは、ファインマンさんの肩書きや地位や立場などに捉われない行動です。
学生時代のパーティで、いっしょに踊っていて楽しい女の子のグループがいたので合流したが、まわりは彼女たちを避けていた。それは彼女たちが聾唖のグループだったせいらしいが、自分としては一緒に踊るのになんの不自由もなかった という話は、特にファインマンさんの合理的で偏見にとらわれない考え方がよく現れているように思いました。

いろいろなことに疑問を持つこと、なぜだろうととことん考えること、柔軟に発想することなど、大切だとよく言われますが、ファインマンさんはこれらを体現する人生を送られたんですね。
天才物理学者といわれる人を作り出したのは、生まれつきの頭脳も勿論でしょうが、あくなき好奇心と探究心なのだなあと読んでいてつくづく思いました。
たいへんに面白い自伝でした。


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私たちの友だち/バイコフ

2009.07.11(08:38)
バイコフは1872年にロシアで生まれました。
キエフ市で暮らした幼い頃から周りのあらゆる生き物に親しみ、成人してからは人生の大半を自然豊かな密林を抱える満州で過ごしました。
その著書は「偉大なる王(ワン)」のほか「バイコフの森―北満洲の密林物語」「樹海に生きる」「牝虎」など多数ですが、現在は絶版となり手に入りにくいものも多いです。
この 「私たちの友だち」 も、著者が接したいろいろな動物とのエピソードを特に子供向けに書いた素晴らしい一冊なのですが、現在は絶版となっています。

バイコフ1

図書館から借りてきた手元の本を見ると、
1951年5月25日 第1刷発行
1992年1月23日 第11刷発行
となっています。
その後12刷目が刷られたのか、それともこれが最後の版だったのかはわかりませんが、ネットでもなかなか見つからずいまだに入手できないため、ときどき無性に読みたくなるたびに、私は地元の図書館で借りてきては読み返すのです。

この本の出版当時、バイコフは親交のあった日本人宗像英雄氏にこう語ったそうです。
「どんな恐ろしい猛獣でも、人々が忌み嫌うあのヘビさえも、人間が彼らの習性をよく理解して、本当の愛情をもって接すれば、きっとよいともだちになるのです。また、子どもたちの持っている、小さな生き物への愛情を、ただしくゆがめないで育てたならば、命あるどんなものに対しても、深い友情を持つことのできる、平和を好む人間になるでしょう。そうしたことに、少しでも役にたてばと思って、私はこの本を書きました。」

バイコフは無類の生き物好きであったと同時に、軍人時代にはペテルブルク学士院から命を受けて満州の動植物の調査にも携わっており、その観察眼は信頼の置けるものだと思います。
しかし、ここに書かれたお話は、ロシアや満州にほんの100年前に存在していたとは思えないほど豊かに広がる自然といい、バイコフと親しみ懐くいろんな種類の生き物のエピソードといい、まったく驚きの連続です。
現代の日本に暮らす私にとって、また多少の生き物好きの私にとって、バイコフがここで語る自然の豊かさや生き物との付き合いは想像をはるかに超え、まるでファンタジーの世界のお話のようにさえ感じるのです。
これらがすべて「本当のお話」だとは、なんと心楽しいことでしょう。

ところで、生き物を愛し観察する人々は、おのずとそのスケッチに磨きがかかるものなのでしょうか。
幾多の例に漏れず、バイコフも自ら本の挿絵をしたためています。

baikofu2
シナ人労働者とノロのミーシカ

baikofu3
水たまりのカエルを追いかけまわすツル

追記にはメモ代わりに原著者のまえがきと目次を載せておきます。

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青春を山に賭けて/植村直己

2009.06.27(17:41)
前回紹介した野口健さんが登山に目覚めるきっかけとなった一冊。
登山家、冒険家として有名な植村直己さんの自伝です。


青春を山に賭けて (文春文庫)青春を山に賭けて (文春文庫)
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アマゾン川を船でくだるシーンや、登頂を前にふもとの宿から眺めたキリマンジャロの景色の描写などが、単独で危険に挑む植村さんの心情とあいまって綴られているくだりは、とても感動的でした。

それと同時に、大学卒業後、就職せず登山のために身ひとつで移民船でアメリカに渡ったり、現地で農作業をしてお金を稼いだり、挙句の果てに不法就労で捕まったりというがむしゃらな生き方のエピソードも強烈な印象です。

私にはとてもできないわ、すごいなあという感想は一歩ひいたものだったのですが、周囲の男性に聞いてみると、憧れやロマンを感じるという方が多かったです。
野口さんのように あとに続けとばかりに実際に行動を起こされる人は少ないかもしれませんが、現実の冒険譚というのは男性の心に強く訴えかける何かがあるものなのかもしれませんね。

それにしても、星野道夫さんもそうですが、素晴らしい冒険家が冒険の途中で帰らぬ人となってしまうのは本当に残念で惜しいことです。

なお、植村さんの不幸についてはいまだに遺体も発見されず不明な部分が多いそうですが、彼を尊敬してやまぬ野口健さんは同じ冒険家として、「100万回のコンチクショー (集英社文庫)」の中で、恥ずかしがりやだったという植村さんの人柄や、冒険につきものの資金集めの苦労などを踏まえて、植村さんの最後の冒険にいたる状況を推察し悼む文章を載せています。


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100万回のコンチクショー/野口健

2009.06.25(11:05)
前回に続き、野口健さんの本。

富士山を汚すのは誰か」は、ご本人の活動をもとに、山の環境問題や清掃活動にテーマをしぼって書かれていましたが、こちらは自伝的要素の強い本になっています。

野口さんの子供時代は、個性の強いエジプト人の母を持ったため周りの友達にいじめられた話や、ご両親の離婚、英国立教学園での落ちこぼれ生活など、心が折れてしまいそうな出来事や、思わずぐれてしまいそうな出来事が満載です。
これを読むと、今立派な活躍をしている1人の大人が、子供の頃から立派な優等生だったわけではなく、反骨精神と発想の柔軟性、行動力が自身を成長させたことがよくわかります。
いま、いろいろなことがうまく行かず、自身の環境や社会に不満や疑問を持っている中学生以上の発展途上人にぜひ読んで欲しい本です。


100万回のコンチクショー (集英社文庫)100万回のコンチクショー (集英社文庫)
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野口さんが登山を始めたきっかけは、英国立教学園時代に停学処分となったときに出会った一冊の本。
植村 直己さんの有名な 「青春を山に賭けて (文春文庫)」 だそうです。
私も以前読みました。
分けてご紹介したいと思います。

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富士山を汚すのは誰か/野口健

2009.06.22(18:48)
1999年、最年少でエベレスト登頂を果たしたアルピニスト野口健さんが記者会見で口にした「次の目標」は、エベレスト清掃でした。
日本隊のゴミが多く残るエベレストの現状を眼にして、日本人としてとても恥ずかしく悔しい思いをされたのがきっかけだといいます。
その同じ思いは日本を代表する山,富士山にも向けられました。
野口さんが富士山清掃活動に取り組み始めたのは今から9年前、2000年のことだそうです。

富士山を汚すのは誰か    ――清掃登山と環境問題 (角川oneテーマ21)富士山を汚すのは誰か ――清掃登山と環境問題 (角川oneテーマ21)
(2008/05/10)
野口 健

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本書では、著者が山の清掃活動に取り組み始めたきっかけから山のゴミ問題の原因、実際の清掃活動、行政や自治体との交渉や問題点などが実にわかりやすくスッキリ書かれています。
山の清掃活動への情熱と決意が行間からズッシリ伝わってくるのに、読みやすくまとめられ洗練された文章に仕上がっています。
それは著者がいかにこの問題を日々考えて考え尽くしているか、そのことを、公演や交渉などでいったい何度どれだけ多くの人に伝えてきたかのあらわれではないかと思います。

また、今後、地元の人や登山客にとって どのような富士山のあり方が望ましいのか、著者なりの展望や考えはとても説得力があり、面白いと思いました。
特に、登山鉄道という考えは面白いと思いました。
登山鉄道が引かれれば、富士山は今よりも一般の登山客に身近な山となり、また同時に5合目までの車の排ガス問題も解消するわけですし。そういえば10年ほど前、当時下は4才の子供から60代の両親までいっしょにユングフラウの観光をしましたが、あれも登山鉄道があったればこそ でした。


トレーニングで登る雪に覆われた富士山しか目にしたことのなかった野口健さんがはじめて見た2000年5月の富士山は、ゴミとし尿であふれ惨憺たるありさまだったといいます。

それから8年後の昨年2008年に夫と富士山登山ツアーに参加した私(記事はこちらこちら)が見た富士山は、ゴミひとつ落ちていない山に変わっていました。
また、かつては垂れ流されたトイレットペーパーが遠目からは白い川にみえるほどだったというし尿問題も、各種バイオトイレの設置に伴い解消されていたのでした。

これまで地道に活動されてきたNPOやボランティアの方々の努力も大きく、また近年では登山客の意識やマナーもずいぶん変わったのだと思います。
しかし、清掃活動の気運を盛り上げ、いっぱんの登山客の意識を向上させたのは、やはり野口健さんの活動が大きく影響しているのではないでしょうか。


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