2008年12月17日

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「レ・ミゼラブル」こぼれ話

2008.12.17(13:48)
山本夏彦氏の生きている人と死んだ人 を読んでいたら、「レ・ミゼラブル」の日本語訳のあゆみについて面白い話が載っていたので、ここで紹介したいと思います。


山本氏によると、明治39年に「レ・ミゼラブル」を「噫無情」(ああむじょう)と題して訳したのは黒岩涙香という人だそうです。
で、その後、大正3年には徳田秋声と戸川秋骨が「哀史」と題して訳しています。
大正13年には、久米正雄が「此悲惨」のタイトルで訳し、昭和2年に豊島与志雄が原題のまま「レ・ミゼラブル」で訳したものが出版されました。

タイトルひとつとっても、訳者の工夫や苦労のあとが偲ばれるようで、面白いなと思いました。
たとえば、原題そのままに「レ・ミゼラブル」とするのは、今では何でもない事だけど、80年前の当時ではずいぶん思い切ったことだったのかもしれません。
「これひさん」なんてタイトルも面白いなと思うのですが、歳月に耐えて今に残っているのは原題そのままの「れ・みぜらぶる」と、黒岩涙香の「ああむじょう」なのですね。

涙香は「噫無情」のタイトルについて、「ミゼラブル」を貧乏なんてものではない、それよりはるかに低い無残なもので言うべき言葉がないから「噫無情」と訳したといったそうです。

他にも「モンテ・クリスト伯」を「岩窟王」と名訳したのも涙香ですが、名訳はタイトルに限らなかったようです。
噫無情」では、日本人が苦手なカタカナの人名を分かりやすく和名に変えているということで、たとえば

コゼット→小雪   
マリウス→守安(もりやす)

という具合だそうです。
これだけでもちょっと笑っちゃうのですが、もっとすごいのは悪役にはいかにも悪そうな名前をつけたのだとか。

鬼警部ジャベル→蛇兵太(じゃびょうた)
軍曹テナルデイィユ→手嶋田(てしまだ)軍曹
その娘アゼルマ→痣子(あざこ)
もう1人の娘イポリーヌ→疣子(いぼこ)

ジャンバルジャンだけは、さすがに訳しようがなかったのか戒瓦戒という当て字を使っているそうですが、それにしても、あざこにいぼこって・・・(爆)


明治時代に出版された黒岩涙香の「噫無情」は、何百も版も重ねて出版され、昭和初期までの読者の多くは涙香訳の本でかの名作に親しんだとのことですから、当時の皆さんの中では、ヒロインは小雪、悪いやつの娘は痣子と疣子として記憶されたのですね。


現在は「レ・ミゼラブル」や「ああ無情」のタイトルで、いろいろな方の訳で出版されていますが、もっともポピュラーなのは豊島与志雄訳で岩波から出版されている「レ・ミゼラブル」のようです。



ほかに、どんな訳者の名前があるのかな、と見ていたら、なんと はる書房から黒岩涙香訳のものも出版されていました。

 

やはり、今でも、作中人物の名前は小雪や戒瓦戒となっているのでしょうか。
すごーーく、気になります。
これはぜひ、確かめてみなくては。
っていうか、読まれた方がいたら、ぜひご一報ください。

ちなみに、このような形で名前が出てしまいましたが、山本夏彦氏はウンチクおじさんではありません(笑)。
胸のすくような明快かつ痛快なコラムで知られる名コラムニストです。
残念ながら5,6年前に亡くなりましたが、いまでも多くのファンが彼の残したコラムを愛読しているのではないでしょうか。
そしてさーにんも、その1人です。



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