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クレィドゥ・ザ・スカイ

2008.09.27(16:04)
「スカイ・クロラ」シリーズ、時系列で4作目に当たる作品です。


クレィドゥ・ザ・スカイクレィドゥ・ザ・スカイ
(2007/06)
森 博嗣

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今回の主人公は、前作 「フラッタ・リンツ・ライフ」につづき クリタジンロウです。

前作の終盤で、大規模な戦闘に参加した彼は、大勢の敵機に囲まれ墜落してしまいました。
ラストで 「またいつか 必ず空を飛ぶ」 とつぶやくクリタの言葉は、彼の いまわのきわの言葉のようでもあり、生還の暗示のようでもありました。
生死のわからないまま幕切れとなった前作に非常にやきもきしましたので、今回 「クレィドゥ・ザ・スカイ」 では病院に入院中の様子から物語がはじまってホッとしました。

ああ、良かった。 クリタはやっぱり死ななかったんだ。 と。

しかし、入院中のクリタは、意図的に強力な薬を投与されており、感情や記憶の殆どを奪われた状態にあり、前作で大きく芽の膨らんだ感のあった きな臭さはさらに激しく、あらわになってゆきます。

確かなものは、身に染み付いた「空を飛びたい」という強烈な思いだけ。
そんな状態の彼が入院中の病院から逃走します。
今回の物語は、その逃走劇が全編を占めます。

強力な薬のせいで記憶が曖昧になった主人公の目線で語られる逃走劇は、ときに前触れもなく蘇った記憶が白昼夢となって物語中にあらわれます。
とくに、彼が唯一名前とともに鮮明に覚えているただ1人の人物クサナギスイトは繰り返し追っ手となって彼の白昼夢に現れるのですが、読み手はそれが現実の出来事だと錯覚させられ、幾度も、ああクリタは殺されてしまった、クサナギスイトが殺してしまった・・と思わされます。

読み手が、物語中の主人公と同じように、深く濃い記憶の霧の中をさまよう羽目に陥るこの仕掛け。
作者は、作品に一人称を使うメリットを最大限うまく使っていると脱帽させられます。
が、仕掛けはひとつではないのですよね。

話しがすすむにつれ、この物語を語っている「僕」は本当にクリタジンロウなのか?が曖昧になってゆくのです。
前半のエピソードを根拠にすれば、「僕」はクリタに違いないと思えるのだけれども、読むにつれて「僕」がクリタではつじつまの合わない部分が出てきて混乱させられます。

なんと、読者は、主人公の記憶の霧の中をさまようだけでなく、気づけば主人公が誰だかわからないという深くて濃い霧の中をもさまよう羽目に陥っているというとんでもない仕掛け。

結局、私には最後まで主人公が誰だかわからないままでした。
しかし、いいように作者の意図どおりに踊らされているこの感じは、なぜかとても心地良い。
次作への期待も高まります。

次の作品は いよいよ 「スカイ・クロラ」です。


関連記事  フラッタ・リンツ・ライフ
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        ナ・バ・テア


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コメント
読まさせていただきました。
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【2008/09/28 02:39】 | サトシ #- | [edit]
こんにちは、YO-SHIです。

「スカイ・クロラ」を後から読むとどんな風に感じるのか、
何か気が付くことがあるのか?興味シンシンです。
読み終わったら、教えてくださいね。

TBさせていただきました。
 
【2008/09/29 10:47】 | YO-SHI #DvI991tw | [edit]
YO-SHIさん、こんばんは。
TBありがとうございました。
「クレィドゥ・ザ・スカイ」の曖昧模糊としたストーリーから、次はどんな展開が待っているのか・・・
カンナミって、いったい何者なのか・・・

私も「スカイ・クロラ」を早く読みたいです。読み終わったらお知らせしますね。
【2008/10/02 21:22】 | さーにん #- | [edit]
ども!いきなりすみません。
クレイドゥ・ザ・スカイはむずかしいですね。
多分、ジンロウが病院ぬけだし、クサナギに殺され、ジンロウの人格はカンナミへ移植され、カンナミがクサナギを殺してから、カンナミに対してさらにクサナギの人格を移植していると思うのですが。クサナギは妊娠することでキルドレではなくなり、そのクサナギDNAをカンナミに移植したことで、カンナミはキルドレではなくなってしまった!なので注射を打ちキルドレに戻したということ。つまり、クレイドゥ・ザ・スカイの中間で、スカイ・クロラがはさまっていると思うのですが。いかがですか?
ご連絡いただけると幸いです。
【2008/10/16 19:51】 | 瀬口 #- | [edit]
瀬口さま

コメントありがとうございます!

実は昨日ちょうど「スカイ・クロラ」を読み終わったところで(「ナ・バ・テア」から時系列順に読んでいました)、瀬口さんの読みを「なるほどーなるほどー」と1つずつ頷きながら読ませていただきました。

この推理だと、「スカイ・クロラ」までのあいだに、素(?)のカンナミについての描写があったのは、入院中のクサナギとわずかな接点があったときのみ になるかな?
とか、いろいろ考えて楽しくなりました。
本当にコメントありがとうございました。
おいおい「スカイ・クロラ」の感想もアップしたいと思っていますので、そのときはまたどうぞよろしくお願いします。
【2008/10/19 17:59】 | さーにん #- | [edit]
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  • クレィドゥ・ザ・スカイ【本読みな暮らし】
    「スカイ・クロラ」 シリーズ5部作も本書にてひとまず完結。時系列に沿って、1作目の「スカイ・クロラ」の直前までの出来事がこれで明らかになった。しかし、明らかにならなかったこともある。著者は、最後の作品で最大の謎を提示して物語を閉じてしまった。クサナギは、
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