くちぶえ番長
2008.04.18(18:41)
やっと図書館の予約が回ってきて読むことができました。いったいいつ予約したんだったか・・・??は、ともかく、さっそく通勤電車で読み始めてしまったら、途中泣けてきてたいへん困りました。
重松作品はホント、人目の有るトコで読むのはキケンです。
重松清といえば、家族や命をテーマにした佳作が多く、それらは子供目線から書かれたもの(「きよしこ」など)と、大人の立場から書かれたもの(「その日のまえに」など)に大別できると思うのですが、「くちぶえ番長」は子供側から書かれた作品です。
主人公は、小学4年生の男の子ツヨシ。
そしてツヨシのクラスにやってきた転校生マコト。
真面目でクラス委員をつとめる優等生のツヨシにたいし、マコトは最初の挨拶で「私は番長になる」と宣言しちゃう元気な女の子。
だからタイトルの「くちぶえ番長」は もちろんマコトのことなのだけれども、なぜ「くちぶえ」なのか?
マコトは強い。
運動神経が抜群で、クラスで仲間はずれの子がいたら率先して手を差し伸べる。仲間はずれに同調しなかったら自分も仲間はずれになるんじゃないか なんて気にしない。
いじめられている子がいたら、相手がたとえ体の大きな上級生でも飛んで行ってやっつける。
自分が1人で相手が複数だから負けちゃうんじゃないかとか考えない。
いつでも涼しい顔で颯爽としている。
そしてマコトは折にふれてくちぶえを吹く。
くちぶえも抜群にうまい。
学校で、今いじめられている子や、自分はいじめられていないけれども見ているのがつらい子は、きっと自分のクラスにもマコトがいたらなあ と思うんじゃないだろうか。
でも、泣いてしまいそうなときは くちぶえを吹くと、泣かずにすむのだそうだ。
口を尖らせて、きれいな音を出そうと集中するのと泣くのとは同時にはできないから。
くちぶえが抜群に上手なマコトは、ひと一倍経験してきた悲しい思いや大変なことを、涙のかわりに くちぶえのメロディにのせて流してきたんだ。
弱いものいじめを退治したり、仲間はずれの友達に手を差し伸べる事は、マコトがもともと優しくて強い女の子だからできたのではないのかもしれない。
そして、マコトに感化されて少しずつ勇気や思いやりを行動に移すことができるようになったツヨシだって立派だ。
優しいし強い。
行動する事で、自分の中に優しさや強さがあることを発見できる。
だから、マコトのような子がクラスにいたらなあ と思うあなたの中にも、実は「くちぶえ番長」がきっといる。
作者が伝えたかったのは そんなことではないか と思う。
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