中国はいかにチベットを侵略したか
2008.06.20(19:09)
中国がチベットへの侵略をはじめた1950年からチベットの抵抗勢力が遂に解体させられた1972年までに、チベットではどのようなことが起こったのでしょうか。本書で著者は、侵攻当時チベット抵抗勢力の主要な一角を担った人々へのインタビューをもとに、ところどころにダライラマの自伝を引用しつつ、当時の様子をチベットに住む人々の目線から再現しました。
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「チベットを開放する」と宣言してチベットに侵攻した中共軍は、現地で120万人ともいわれるチベット人を殺しました。
死者の多くは兵ではなく一般のチベットの人々です。
人間の尊厳を徹底的に踏みにじられた挙句殺された多くの一般人、僧や尼僧、そして情け容赦なく殺された幼児や赤ちゃん、、、。
言語を絶する非人間的な殺戮の様子にここでは具体的には触れませんが、人が人に対してなぜこんなことができるのか、人をここまで残酷にできるものが何なのか、深く考えこんでしまいました。
争いごとの際に古今東西で非人道的な虐殺が繰り返されているとしても、チベットの人々に加えられた弾圧、虐殺はことに凄まじい。
その背景には、侵攻を受けた当時のチベットは鎖国状態で通信網なども未発達だったため世界に訴える知恵と術が不足しており、侵攻国側が自国に都合の良い内容のみを対外的に発表することが可能だったことがあります。
侵攻から60年近くたった今でも、その全容のすべてが明らかになったとは言えないでしょうが、今ではインドにチベット亡命政府を樹立したダライラマが節目節目に発する声明だけでなく、一般のチベットの人々の声も世界に届き始めています。
チベットで起きた事にうすうす気づいた人々が問題意識を持ち、知ろうとし、知ったことを世界に伝えようとしているからです。
「中国はいかにチベットを侵略したか」もそうした試みの一冊と言えると思います。
インタビューを積み上げた構成は非常に衝撃的ですが、説得力にあふれています。
人々の関心を集める力のひとつたりえる本だと思います。
世界のあらゆるところで人々が関心を持ち目を向けることは、国家レベルの非道なふるまいへの抑止力になり、当事国も情報を隠蔽することが困難になってゆきます。
問題解決のために必要不可欠な、当事国同士の公式な対話の場を持つことを拒否することも難しくなるでしょう。
当事国同士の公明で誠実な対話が重ねられ、1日も早く問題が解決しチベットに平穏な日々が戻るきざしが見えますように。
私は今後も機会を見つけて、チベット関連の書籍を読んでいこうと思っています。
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