上橋菜穂子

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精霊の守り人

2008.09.21(13:46)
文化人類学者がティーンエージャー向けに書いたファンタジー小説。
30才の女用心棒という異色の主人公が、架空の世界で活躍するシリーズの最初のお話です。

精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
(2007/03)
上橋 菜穂子

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読み出したら止まらなくなって、最後まで一気に読んでしまいました。
こういう本との出会いがあるから、読書はやめられない。
まったく、心からそう思わせる素晴らしい作品でした。

まずファンタジー作品として、架空の世界がきちんと作りこまれているので、違和感なくその世界へ入り込めること。
これはファンタジー作品の大前提ともいえますが、 日本人作家の作り出すしっかりしたファンタジーの世界は、違和感がないどころか、土や風のにおいさえ感じさせる どこか懐かしい風景にさえ思えました。

そしてそこで活躍する人々がなんとも魅力的で生き生きしています。

特に、めっぽう強い女主人公バルサには、頼もしく胸のおどるような戦闘能力のほかに、内面に母性ともいえる優しさを備えているエピソードや、育った境遇からくる寂しさや使命感を心に秘めたいきさつなど多方面からスポットが当てられ、ひきこまれずにはいられません。

バルサの周囲の登場人物たちも、それぞれの行動や気持ちが まるで息をしているかのように感じられ、どれも魅力的です。

読み手の立場によっては、 バルサを愛しながら黙って見守り続けている幼なじみの呪術師タンダに共感を覚える人もいるでしょう。
また、年齢の近さから第二皇子チャグムに自分を重ね合わせる幼い読者もいるかもしれません。

これらの登場人物たちが経験する出来事の なんと不思議で過酷でスリリングなことか。
そしてそれぞれが、時に運命の過酷さを呪い くじけそうになりながらも、戦い、支えあい、絆を深めつむいでゆくストーリー。

物語の終盤で、第二皇子チャグムがバルサに向かって万感の思いを込めて
「チャグムって呼んで。」
と言い、それにバルサが応えるシーンでは、その心の動きが胸にせまり、思わず涙がこぼれてしまいました。


独自のファンタジー世界の確立、魅力的な登場人物たち、筋立ての面白さ以外に、日本語の確かさ、作品の底に流れる作者の目のあたたかさ・・と、素晴らしい点は他にも何拍子も揃っているのですが、しかし、私などがひとつひとつ解説するより、まあいいから、とにかく一度読んでみて と言うのが一番正解のような気がします(笑)。

冒頭で、ティーンエージャー向けに書かれた小説と紹介しましたが、大人の読書家にもじゅうぶん満足のゆく一冊です。
「新潮の100冊」のリストに入っているのも頷けます。


関連記事  流れ行くもの
        新潮文庫の100冊2008


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流れ行くもの

2008.08.01(13:17)
上橋 菜穂子さんの守り人シリーズはとても人気があるようで既刊が何作も出版されています。
これまで何度か目にすることはあったのですが、ぶ厚いシリーズモノなので手に取るのを躊躇していました。
が、たまたま本好きの友人が、うちの次女がきっと気に入る本だと思うよと、いわば「お試し」的に「流れ行くもの」を薦めてくれました。
一話完結のお話三編の入った いわば外伝です。
これを読んで気に入ればシリーズのほうを読めばいいよと。

流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36)流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36)
(2008/04/15)
上橋 菜穂子

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で、さっそく入手して次女に渡したところ・・・
なんとものすごい集中力で1日で読み終わってしまいました。

そのあと私も読んでみたのですが、世界観も文章もしっかりした良質のファンタジーだと思いました。
さいわい次女も気に入ったようですので、続けて本編の守り人シリーズも与えようと思います。
(私も一緒に読みます・・「精霊の守り人」は新潮の100冊にも入っているし・・)


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